生きるのが下手くそなエッセイ

人生に悩みまくりの僕カシコが、エッセイやコラムを気が向いたときに書いていきます

気づいたら虚無の上に立っている

僕は精神的にあまりタフな方ではい。人から何か言われれば数日間は抱え込むし、いいことがあるとそのウキウキは数日間続く。上にも下にも感情の振れ幅が激しいタイプだ。もちろん上に気持ちが振れる分には問題ない。他人に迷惑さえかけなければ、しっかりとはしゃぐことができて、人生の楽しさを満喫できる。ただし、問題は下だ。下ばっかりはどうにもできない。しかもこいつは突然やってくるのだ。

虚無感。それが多分この状態を表す言葉だろう。人生の意味が全く分からなくなり、何をみても、何を聞いても面白みを感じなくなる。そんな状態なので、もちろん何かをやろうとする気力なんか起きるわけがない。そんな状態が、僕にはたまにやってくる。

このたまにやってくる瞬間は、最悪だ。気づいたら自分がそうなっているのがわかるからだ。さっきまで楽しく漫画を読んでいたのに、突然全てが無味乾燥なものに感じるようになる。グラデーションのように少しずつ自分を塗り替えてくるのではない。気づいた時には、自分が真っ黒になっているような感覚だ。自分の手や体をふと見たら、何かわからない大量の黒いものが全身に付着しているような感じだ。

この虚無感に襲われると、その日は大体ダメになる。結局何をする気も起きないし、何かしたとしても基本しんどい。そんなことを何回か繰り返しているうちに、僕は虚無への対処法を考え出した。やり過ごすことだ。何もせず、ただただ無為に時間がすぎることを待つのみだ。できれば寝るとその時間の経過が早いので、おすすめだ。

この話はあまり他人にはできない。相談した相手を困惑させるだけだからだ。この虚無に勝てる方法はない。解決策が存在しないことを相談しても、向こうは同情と少しばかりの知恵を出すだけで、疲れてしまう。互いにとっていいことが何もないのだ。

何より僕がこの状態になって最も怖いのが「死」の存在が近くなることである。日々の生活では、月の裏側にでも隠れているような「死」が、虚無と共にひょっこりと僕のとこにやってくる。自分の人生に意味が見出せなくなる瞬間なのだから、その人生を投げ捨てたいという気持ちが出てくることは何も不思議ではない。人生に対してメンヘラをかますような感じなのかもしれない。

そんなこともあり、僕はこの虚無と今日もつるんでいる。向き合ってもいないし、親しくもない。ただただ関係が存在するだけだ。この感覚は僕の周りで共有してくれる人は誰もいない。だからこそ、僕は今日も一人でなんとかこの虚無をやり過ごすしかないのだ。