誰かに「スキ」を伝えるのは、利己的だし、それでいい

「スキ」「Like」「いいね」
SNSがあふれている今、誰かの言葉や写真や考えに、自分の好意を伝えることはとても簡単だ。
だが、その手軽さゆえにやらない人も大勢いる。所詮ただのハートでしょ？、いちいち押さなくてもね、と。もちろんそのスタンスも全然ありだ。大量にSNSに流れてくる情報の一つ一つに、気を配ってなんかいられないというのもよくわかる。
ただ僕は、だからこそやるべきなんじゃないかと思っている。「スキ」を伝える好意は、とても利己的であると感じると同時に、ものすごいパワーを持っていると思うから。

noteの「スキ」

noteにも「スキ」という機能がある。これを読んでいる人の大半が押した経験があるだろう。記事の右下に出るハートマークを押すと、その筆者にあなたが「スキ」をしたことが伝わる。この「スキ」を、あなたはどう捉えているだろう？
読む度にする？
習慣としてする？
お気に入りに入れるためにする？
内容がよかったからする？
いろんな捉え方があるだろう。そしてその捉え方に正解はない。どれでもいいと思うし、どれもいいのだと思う。ただそんな中で僕は、応援としての「スキ」を広めたいと思っている。

発信者にとっての「スキ」

何かを発信する人にとって、それを受け取った受け手の反応というものは、非常に大きい。この文章はどう受け取られるのだろうか、読んだ人は気に入ってくれるのだろうか。そんな怖さとワクワク感が同居したまま、発信を行ってきた人も少なくはないだろう。もちろん、僕もその一人だ。こうやってnoteでの文章を綴っている。そんな僕にとって、読者からの「スキ」はどのようなものだろうと考えると、その答えはこうだ。

エネルギー。

僕を動かす、エネルギーになるのだ。読んでくれるあなたがいる、「スキ」と言ってくれるあなたがいる。それが自分の背中を押してくれる。次もいいものを書こう、もっと面白いものを書こう、と。多分これは僕だけでなく、多くのnoteユーザーが感じているんじゃないかと思う。だからこそ僕は、積極的に「スキ」をしている。

人に対する「スキ」

ただし、僕は文章自体の内容などに加えて、ある観点で「スキ」をするかどうか決めている。それは、その発信者＝筆者を応援したいかどうかだ。さっき話したように、「スキ」というのは、筆者にとって大きな力になる。それは言い換えれば、僕からその力を筆者に与えることができるということになる。なので、その文章を書いた「人」を応援したいと思って「スキ」をする。あなたの活動がとても楽しみだ、ありがとう、頑張ってという意味を込めて。

自分勝手としての「スキ」

ただし、この応援としての「スキ」は、めちゃめちゃ自分勝手だ。なぜなら、「スキ」をする筆者の新作が見続けたくて、僕はこの「スキ」を行っているから。もちろん純粋に「あなたの文章、いいですね。」という思いも含まれている。しかし、その先には、「あなたの文章、いいですね。今後もいい作品を作って見せてね。」という部分が存在する。つまり、自分が「スキ」というエネルギーを与えることで、筆者に新たな作品を生み出すように催促しているとも言える。

それでも「スキ」は偉大

しかし、それでも「スキ」は偉大だ。なぜなら、より多くの人が、創作活動に対してポジティブでいられるから。この一連の流れの中には、不利益を被っている人がいない。「スキ」を押すファンにデメリットは何もないし、「スキ」をされる筆者も「スキ」というエネルギーがたまる＝新たなものが作りたくなることで、より創作意欲が沸くからだ。つまり、ここには誰もやらされている人＝強制されている人がいない（※もちろん「スキ」が多くなりすぎると製作者のプレッシャーになってしまう可能性はあるので、バランス感覚は必要）。「スキ」をすることで、より多くの人が、新たな創作活動へと向かえると思う。

筆者を引き留める「スキ」

さらに一番重要なのが、創作意欲が高まることで、その筆者の活動の終了を引き留められるかもしれないということ。人が創作活動をやめる理由はたくさんあるが、その中には、誰にも見てもらえない、評価されない、というものもあるだろう。当たり前だ。発信を繰り返しても、なんのリアクションもないことは、とても悲しく、つらい。ただそんな人たちにも、あなたが「スキ」を送ることで、創作活動から離れることを止めることができるかもしれない。「私はあなたを見ている」という意思を「スキ」を通して伝えられるから。そしてその「スキ」は、あなたの好きな筆者の明日の文章につながるかもしれない。

終わりに

こんな考えから、僕は積極的に「スキ」をしている。もちろん他のSNSでの「いいね」や「Like」も同様だ。あなたが思っているよりも「スキ」というのはきっと大きな力になる。だからこそ、迷ったら「スキ」をしてみてほしい。それはきっと、この世界により多くのアイデアや表現が生まれ続けることにつながると思うから。