生きるのが下手くそなエッセイ

人生に悩みまくりの僕カシコが、エッセイやコラムを気が向いたときに書いていきます

人生に目的はいる、でも目的ばかりはいらない

「それ何のためにやってるの?」
たまに他人から言われる言葉だ。
お金になるの?将来に繋がるの?スキルになるの?
そんな奥の意図が見えるような気がする。

僕はこう答える。
「楽しいからやってんのよ。」
ただし、ある時まではこの言葉を言いにくかった。
言っていても、顔が引きつっていた気がする。

人生ではいろんなことができる。
大きい部分では仕事や恋愛、趣味などだろうか。
でももっと小さいこともたくさんできる。
突然の散歩とか、ある日の鼻歌とか。

僕は人生を楽しみたい。
そのためには、たまに未来を考えることが大事だ。
3年後、5年後、10年後、20年後、もっとその先。
自分がこの世界から離れるとき、どんな想いで離れたいか。
そんなことを考えながら、時たま今を見つめ直す。

自分が歩きたい方向に、僕は歩けているのだろうか。

いろんなことができる人生で、僕は未来のためになることをやっているのだろうか。
僕はなぜ、こんなことをやっているんだろうか。
そう考える瞬間はこれまで幾度となく訪れた。
何かゴールみたいなものが、人生にはある気がしていたから。

人生のゴールに向かって必要なことをやる。
目的を達成するために、僕には今何が足りないのか。
それを補うにはどうすればいいのか。
考え、動き、もがき、苦しんだ。

でもある瞬間、視界が真っ逆さまになった気がした。
自分の目的がわからなくなった。
今まで見えていたものは、遠く遠くへと消えてしまった。
あぁ、もうあそこには行けないのか。

そう思った瞬間、今が馬鹿らしくなった。

そこからは酷いものだ。
自分以外のもの、全てに怒りややるせなさをぶつけた。
大事なモノや、大事な人、大切な時間。
どれも漏らすことなく台無しにした。
そして最後に自分すらも台無しにしようとした。

でもそんなときに思った。

どうせ目的が達成できないなら、今だけ楽しめばいいんじゃね?

ヤケクソという言葉が最も腑に落ちた瞬間だった。
今までやろうとしていたことは全て投げ捨てた。
自分が思いもしなかった方向へと自ら進んだ。
目的なんか知らないし、いらない。
自分のやりたいことだけをやった。

すると、乾ききった人生が潤い始めた。

楽しい…楽しい。楽しい!

今までと同じ人生とは思えなかった。
周りから去る人もいた。
環境も変わった。
でもそこには新しい人たちと、新しいことたちがいっぱいだった。

簡単なことだった。
人生は目的を達成するためにあるんじゃない。
楽しむためにある。
目的はその手段でしかないんだ。


もちろん目的が全くいらないわけじゃない。
でも目的ばかりじゃつまらない。
目的がなくても楽しいこともたくさんあるんだ。

帰り道の夕暮れを見たり、生温い風から夏を感じたり。
地元の友達としょうもない話をしたり、
「はぁーっ」て言いながらお風呂に入ったり。
音楽を聴いて踊ったり、映画を見て笑ったり、夜に文章を書いてみたり。

そんな単純だけど大事なことに気づけたら、
人生はとても面白くなると思う。
あなたは何のために今そんなことをしているの?
僕は、楽しいからやってんのよ。