生きるのが下手くそなエッセイ

人生に悩みまくりの僕カシコが、エッセイやコラムを気が向いたときに書いていきます

「○○で稼ぎたい」と「○○を売りたい」は、けっこう違うんじゃないか(映像の視点から)

副業。フリーランス
ここ数年で日本でも聞く回数が増えた言葉たちです。
それは形態は違えど、企業に属することなく自らが主体となって金銭的な稼ぎを得ることとも言えます。
もちろんここnoteでも、有料記事などのシステムがあり、自分で書いた文章でお金を得ることができます。

このように副業が広まるにつれて、いろんな人がある程度のお金を個人でも生み出せるようになってきました。
それ自体はとてもいいことなのですが、同時にその中にもタイプみたいなものが別れてきたのではないかと思います。
この記事では、僕が映像というスキルを持っていることから、そのタイプについて考えてみたいと思います。

動画編集と映像制作

僕は独学で映像を制作することを10年程度行っています。
ただそれはほとんど趣味のレベルで、お金に変えることはあまりしてきませんでした。(全くしてないわけではない)
ただここ数年、もしかしてこれでちゃんとお金を稼げやしないかな?と考え、いろいろなクラウドソーシング(ランサーズとかココナラとか)を検討したりしました。

結果として、僕はクラウドソーシングを利用することはなかったのですが、その過程で映像制作がどのような場面で必要とされているのか、なんとなくのイメージが付きました。
特にその大きな差がわかりやすく現れていた文言が、
動画編集と映像制作でした。

動画編集=映像で稼ぎたい

ここでいう動画編集とは、いわゆるYoutube動画の編集などを指します。
すでにある素材動画(撮影したものとか)を用いて、それを編集していくことで1本の動画とするタイプのものです。
一応編集ソフトで言うとPreimereやFinal cutのイメージです。
Youtubeなどが一般化したことで、今とてもニーズが高まっていますし、広告などでもよく見かけるようになりました。

動画編集でお金を得る方法としては、クライアントに頼まれた素材を編集して、納品して料金をもらうという形が一般的だと思います。
特にこのタイプは、Youtubeを運営している方からのニーズが高く、長期的に一緒に活動してくれる動画編集者が望まれているケースが多いように感じます。

僕の考え方からすると、動画編集は「映像で稼ぎたい」というニュアンスが強いのではないかと思います。
それは、動画編集でお金を稼ごうとしている人たちが、以下で述べる映像制作の人たちに比べると、動画編集にそこまで強いこだわりがないのではないかと感じるからです。(あくまでイメージですが)

そう感じる理由としては、動画編集=簡単に習得できてマネタイズしやすい
という宣伝が多く出回っているからです。
動画編集系の動画をYoutubeなどで探していると、どういう動画がいい動画なのか、というものよりも、どうすれば動画編集で稼ぐことができるのか、また実際に動画編集でどれぐらい収益が上がるのかというものを主題にしたものが多く見られました。
(有名そうなのは↓みたいなものでしょうか)


もちろんエンターテイメントとして、より良い動画を作ろうとしている人たちや動画編集のプロとして素晴らしい動画を作っている方もたくさんいますが、一方で手軽に稼げる手段として動画編集を行っている方も一定数いるのも事実だと思います。
この様子を見て僕は、ブログで収益をあげる、ブロガーなどに近いものを感じました。

簡単なノウハウを学べば、即戦力的にそれをお金に変えることができる。
ある意味動画版ブロガーと言ってもいいかもしれません。
例えばこの動画編集のスキルを習得して、お金に変えられるようになるのに、2年も3年もかかるものだったならば、ここまで流行っていないのではないでしょうか。

ここで「映像で稼ぎたい」ということに繋がってきます。
今まで述べたような理由で動画編集をしている方の思考の順序は、

お金を稼ぎたい→効率のいい手段を取りたい→動画編集が美味しい(らしい)→動画編集で稼ぎたい

という感じだと思います。

つまり、映像というのはあくまで手段に過ぎず、効率よく稼ぐことができるから映像を扱っているということです。
省略部分を補うと「(簡単に稼げるから)映像で稼ぎたい」とも言えると思います。
これが僕の考える「映像で稼ぎたい」というタイプです。

映像制作=映像を売りたい

一方でこちらの映像制作とは、歌ってみたなどのMVを制作したり、数分間の自主制作した映像などをTwitterなどで公開しているような人たちのイメージです。
動画の素材などが何もないところから、映像を用意する人が多いと思います。
編集ソフトで言えば、After effectsや3D系のソフトって感じでしょうか。
こちらの人たちは、自分たちの作品を売って稼ぎを得たいというタイプです。
(以下は僕の好きないっしんという方の映像です)


映像制作でお金を得る方法として、クライアントから映像の制作を頼まれることもありますが、同時に作品自体を売ることもあります。
BoothPIXIV FANBOXといったサービスを利用して、制作した作品のプロジェクトファイル(実際に映像を作成したデータ)を販売している人もいます。

上記の映像を見ていただくとわかると思いますが、こちらのタイプでお金を稼ごうとしている方々は、映像を作ること自体に強いこだわりがあります。
それはお金を稼ぐ手段であると同時に、自分の作品という意識も強いからです。
それは同時に、お金を生むのに時間がかかるということです。

映像を作っている端くれとしてですが、このクオリティの映像を作るのは年単位での映像の勉強が必要だと思います。
人によって独学だったり、学校に通っていたりしますが、ある程度の期間、映像を勉強し、その中である種の作家性を身につけているとも言えるでしょう。

なのでこのような人たちは、「映像を売りたい」というタイプに属すると考えられます。
いい映像を作って、クライアントに声をかけてもらったり、ファンを獲得したりして、作品自体を収益につなげる。
省略した部分を補うなら「映像(作品)を売りたい」とも言えるでしょう。
まずベースに自分の制作した映像があるということです。

このタイプの思考の順序としては

映像が作りたい→いい映像を作る→これを基に収益を出したい→案件につなげたり、それ自体を販売する

という感じでしょうか。

お金を生み出すのに時間がかかろうとも、自分の制作した映像を中心とした動きを生み出したい
そのような人たちが僕の考える「映像を売りたい」というタイプです。

○○で稼ぎたい/○○を売りたい

さてここからは映像というジャンルからもう少し話を広げていきます。

動画編集と映像制作の2つを比較すると、決定的に違うことがあります。
それは、プロジェクトの軸が自分の外にあるか、内にあるかです。

映像で稼ぎたい=世間にニーズがあるから映像=外に軸を置いて活動
映像を売りたい=自分が映像を作りたいから映像=内に軸を置いて活動


もちろんどちらが良い悪いというわけではありません。
ですが、この考え方や比較の仕方は映像以外のジャンルにおいても、結構役立つんじゃないかなと思いました。

例えばnoteでいうと、

文章で稼ぎたい=noteが流行ってるから文章を書く=軸が外
文章を売りたい=自分が文章を書きたい、あわよくばお金にしたい=軸が内

こういう風に考えられるのではないでしょうか。

他にも、作曲やイラストなどの他のジャンルも同じ考え方ができると思います。
様々なジャンルで副業やフリーランスが広まってきたからこそ、自分がどちらのタイプなのかを見極めるのは、大切なことではないでしょうか。

ちなみに僕の場合は、はじめは外に軸を置いていました。
つまり映像が世間にニーズがあるという理由で、案件を獲得して収益を上げようとしていました。
さっきでいう「映像で稼ぎたい」ですね。
ただいろんな案件を探しても、僕がやりたいなと感じる案件があまり多くないなと感じていました。

そんなときに、僕はこれまで、自分の作品を作りたくて映像を制作してきたことに気付きました。
つまりどちらかというと、「映像を売りたい」タイプなんじゃないかと思ったわけです。
そのため現在は、無理に案件を探そうとはせずに、「売りたい」と思えるような作品づくりの時間を取ることにしています。

こんな感じで、自分がとりたいスタンスと、自分がやろうしてるスタンスに齟齬があるとけっこう大変なのかもしれないなと思いました。
多分ですけど、やろうとしているタイプと自分のタイプが一致していた方が、仕事をやりやすいんじゃないでしょうか。

自分のやりたいこととやってきたことを考えたときに、そのプロジェクトの軸が外にあるのか、内にあるのか。
そんな単純なことを考えるだけでも、自分なりにいいお金の生み出し方が見つかるかもしれません。

最後に

副業やフリーランスが広まった理由に、今までお金にならなかったことが、お金になるような仕組みが世の中に出てきたことがあると思います。
それ自体はとてもいいことでしょうし、僕自身もより多くの人が参加できればと思います。

ただ一方でお金の稼ぎ方というのは、企業勤めしかしていない人からすると、まだまだ未知の領域であり、勉強不足という部分も多いと思います。
僕自身もその一人です。
なので僕なりに経験して考えたことが、もしかすると誰かの役に立つかもしれないと思い、この記事を執筆しました。

何にせよ、お金を稼ぐことに対して、一人一人がよりストレスなく、気持ちよく稼げるようになればいいなと思います。