生きるのが下手くそなエッセイ

人生に悩みまくりの僕カシコが、エッセイやコラムを気が向いたときに書いていきます

社会人の言う「時間がない」がようやくわかった

社会人になってかれこれある程度の期間が過ぎました。それと同時に、最近「あ、社会人ぽいかも」と感じることが増えてきました(良くも悪くもですが)。それはあの文言が実感できるようになったということです。そう、皆さんご存知「時間がない」です。

僕はそもそもちょっと前まで大学院にいたので、学生時代も別に時間があるとは思っていませんでした。毎日の授業に加えて、自分の研究、さらにアルバイトとなると、それなりに日々の時間は使われていました。なので、当時の僕は「あれ?これもしかして働いた方が楽じゃね?」とすら思っていました。

大学院を出てから働き始めた当初は、実際に楽でした。仕事もあまり降ってこないし、課題もありません。そもそも僕が非正規として働き始めたのもあり、拘束時間も8時間より短いです。その結果、毎日帰宅してから大量の時間が使え、尚且つ仕事のプレッシャーもないという、人生ランキング上位に入るであろう余裕のある日々を過ごしていました

しかしある程度立つとその感覚も変わってきました。一つは、仕事の量が増えたことです。当たり前ですが、新人時代というのは、仕事を与えられることが多く、仕事量自体も多くありません。それがある程度経つと、戦力としてカウントされ始め、徐々に仕事が増えていきます。この結果、仕事でのプレッシャーや疲労感というものは、当初よりも増大しました。とは言っても、残業は基本的にできない身分なので、直接的に帰宅後の自由時間が減るということはありませんでした。

もう一つの変化は、自由時間の充実です。充実というと聞こえはいいし、実際良いことなんですけど、まさかのここが後々ではありますが、最初に伝えた「時間がない」に繋がっていきました。働き始めた当初は、余った時間で何をしようかと色々試行錯誤していました。ゲームをする、漫画を読む、ドラマを見る、などなど色んなことをしました。ですが段々と、もう少し身になることをしたいなと感じ始めたのです。

これは僕が非正規であるということも関係していると思います。正規雇用と違って、僕は数年間しか雇用が保証されていません。そしてそれが終わったタイミングでも、僕が今の職場で得られるスキルなどは限られているでしょう。そのため、空いた時間で将来に繋がるなにかをした方が良いんじゃないか、と思うようになったのです。その結果たどり着いたのが、文章と映像制作でした。

道中は省きますが、両者ともある程度のペースで取り組むようになりました。文章は言うまでもなくここnoteでの活動ですが、映像に関しても少しずつ技術を磨いていました。今思えば、ここが一つの僕のキャパシティのラインだったとも思います。文章を書いて、映像を作って、仕事をして、そんなことをしていたら、あっという間に月日が過ぎていきました。

ですがここにさらに加わるものが出てきました。英語学習と副業です。英語学習に関しては、来年以降の海外留学(ワーキングホリデ ー)を目指している僕には必須のものでした。そろそろ手をつけようかと思って計画を立てたところ、予想以上のボリュームになることが判明しました。それと同時に副業も始めました。これはかつて学生時代に働いていた会社が声をかけてくれたもので、僕自身も好きな仕事だったこともあり引き受けました。ですがその結果、月に20時間程度の拘束が生まれることとなりました。

ここまでをおさらいしてみると、今の僕の時間の使い方の内訳はこうです。

1:仕事
2:副業
3:映像制作
4:文章
5:英語学習

自由時間が充実してきて、やりたいことが増えたのは良いんですけど、これらを同時に並行して行おうとしているわけです。もちろん時間は足りなくなりました。現在、noteの更新頻度は下がり、英語学習はまだプランニングの段階です。ただですね、この程度の時間のなさは、正直大学院生時代もありました。でもやっぱり当時と違って、社会人になった今だからこその「時間がない」があることがわかりました。

さっき挙げた時間の要素を、今度は僕のやりたい順に並べてみますね。

3:映像制作
4:文章
5:英語学習
2:副業
1:仕事

さらに大学院生時代の要素を、やりたい順に並べます。

1:研究
2:アルバイト
3:趣味(映像制作)
4:英語学習
素数がそもそも少ないですが、「研究」の時間が長いので、トントンとして下さい


さて、改めてこの二つ、上も合わせた三つを比較すると、何か見えてきますね。とてもシンプルな答えになりますが、大学院時代はやりたいこと=「研究」に最も時間を割いていたということです。ところが今は、最もやりたくない「仕事」に一番大きく時間を取られてしまっています。

この違いがなにに繋がるかというと、「時間不足」という原因です。大学院生時代は、ゆーても自分のやりたい「研究」に最も時間が割けているので、「能力が足りなくてできない!」はあっても、「時間が足りなくてできない!」がありませんでした。一方現在の僕が最もやりたい映像制作に関しては、能力不足もありますが、「時間が足りなくてできない!」ことがたくさんあります。特に勉強面や学習面に時間を割くことが難しく、インプットとアウトプットのバランスにとても悩んでいます。

もちろん人にもよると思うので、仕事に割く時間が文字通り長過ぎて生活やプライベートがままならない!ということもあると思います。ですが、僕が学生時代に見た社会人たちは、そこまで大変な感じではありませんでした。でも口を揃えて「時間がない」と言っていたので、今になってようやくその意味が分かった気がします。つまり、仕事の時間が大きいが故に、やりたいことをやる時間が無くなる=「時間がない」ということだったんだと、自分がその立場になって初めてわかりました。

最後にこの「時間がない」に気づいた僕の気持ちを綴ります。僕の好きな漫画「ブルーピリオド」では、「自分の好きなことに人生の最も大きな時間を割くのは、当たり前のことじゃない?」(要約)という問いかけが出てきます。これを見た当時は、それは理想論じゃないかと感じていました。ですが実際に僕が働いて感じたのは、自分の時間が使いたくもないことに奪われていく感覚でした。あれもしたい、これもしたい、なのにそれらに使える時間は全て仕事に取られていきました。僕は好きなこ� ��を仕事にすることを一度止めましたが、今確実に思うことは、好きなことを仕事にすることは幸せだということです。自分の人生=時間は自分だけのものです。その時間をどうやって使うか、その時間の権利をしっかりと握って行動することは、とても大事なことなんじゃないかと、最近強く思っています。